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子どもアドボカシーセンター福岡

日本財団
What is Child Advocacy?

子どもアドボカシーとは?

子どもの声に耳を傾け、
思いや意見を
表明できるように支えること。
その過程を通して
子どもをエンパワーすること。

自分の思いや意見を尊重されることは、子どもにとって大切な経験です。

自分の思いや意見を、誰かにちゃんと受け止められた経験、
そして、伝えたい相手にそれを言うことができた経験は、
子どもをエンパワーし、その後の人生を生きる大きな力となります。
それは、自分の人生は自分が主体であるという感覚です。

一方、自分の思いや意見を無視され続けた子どもは、
無力さを感じ、やがて声を上げることをあきらめ、生きる力を奪われてしまいます。

子どもアドボカシーを実践する「アドボケイト」は、
子どもたちの形にならない気持ちや思いを受け止め、
それを周りに伝えたいと子どもが望んだ場合には、それを支えます。

子どもが自分で考えて決断する過程に手を貸し、
おとなの都合でかき消される子どもの声に力を与え、
周りのおとなに子どもの声を聴くよう働きかけること。

それがアドボケイトの役割です。

エンパワーって?

力を与える、または本来持っている力を
発揮できるようにすること

1子どもアドボケイトについて

子どもアドボケイトは、子どもの声を聴き、その声を伝えることをサポートする役割を担います。
行政や施設、里親、親など、子どもの養育に責任を持つ機関から独立した立場にあり、
100%子どもの側に立って行動します。

2024年から制度化される国の事業では、子どもアドボケイトは児童相談所や児童福祉施設、
里親家庭などを訪問し、子どもたちの意見形成・意見表明を手助けすることになっています。

子どもアドボケイトが手伝うこと

気持ちや意見を
形にする

子どもアドボケイトは、形にならない気持ちや意見を抱える子どもの話しを聴くことで、子どもたち自身がそれを整理し、言葉やそれ以外の表現で形にするのを手伝います。アドボケイトに話す過程で、子どもたちは自分が何を思い、望んでいるかを形にしていきます。

子どもアドボケイトは、利害関係のない第三者

相手が近しい関係のおとなの場合、子どもは相手や自分への影響を気にして、なんでも話すことが難しくなります。利害関係から離れたアドボケイトだからこそ話せることがあります。

気持ちや意見を
周りに伝える

子どもが自分の気持ちや意見を周りに伝えたいと思う場合は、再び子どもアドボケイトがお手伝いします。子どもが自分で言う、もしくはアドボケイトが代弁もできます。どんな方法で何を伝えるのか、子どもとアドボケイトで話し合って実行します。

子どもの声を「なかったこと」にしない

子どもアドボケイトは、伝えた子どもの声を周囲のおとながきちんと受け止められるよう働きかけます。独立した立場の子どもアドボケイトだからこそ、100%子どもの側に立ちきることが出来るのです。

子どもアドボケイト
矢印
意見形成・表明支援
子ども
矢印
依頼
意見表明
申し立て
児童相談所 福祉施設 家族・里親など
権利擁護機関

一人ひとりのアドボカシー

アドボカシーは専門的な訓練を積んだ「子どもアドボケイト」だけのものではありません。
子どもと関わるすべてのおとな、そして子ども自身も、アドボカシーを知って実践することができます。

アドボカシーについてもっと知るところから、はじめてみませんか?

2子どもの権利

「意見を表明する権利」と
「尊重される権利」

子どもを権利の主体とし、子どもの意見を尊重する制度づくりが進みつつあります。

その一つとして、国連の子どもの権利条約を元に、日本でも児童福祉法が2022年に改正されました。
2024年には、社会的養護を受けている子どもたちから意見を聴く制度が本格的にはじまります。

すべての子どもには「意見を表明する権利」と「尊重される権利」があり、
それを実現するのが「子どもアドボカシー」の役割なのです。

3アドボカシーの未来になる「福岡モデル」

あらゆる子どもを
対象にした
アドボカシー

2024年から制度化されるのは、社会的養護の子どもを対象としたアドボカシーです。しかし現実を見れば、学校や家庭で様々な心理的・物理的暴力に苦しむ子ども、声を上げられない子ども、声を上げることをあきらめている子どもが沢山います。 2020年度の子どもの自殺件数、不登校件数は過去最多でした。

子どもアドボカシーセンター福岡は、将来的にあらゆる子どもを対象にしたアドボカシーの実現を目指し、行政と協働して活動を行っています。

アドボケイトの
質と数を備える 養成・派遣・フィードバックの仕組み

十分な資質が担保されたアドボケイトを確保するために、子どもアドボカシーセンター福岡ではアドボケイト養成講座を毎年開催しています。2022年からは福岡市のモデル事業として、実際にアドボケイトを派遣しています。

実践力を高めるトレーナーの存在

養成プログラムを作る過程から関わり、アドボケイトの資格審査も行うトレーナーは、自身もアドボケイト。アドボカシーの実践経験をプログラムに生かす重要な役目を果たしています。

行政と協働する
仕組みづくり

質の高いアドボケイトが存在していても、動ける仕組みがなくては意味がありません。そのためには地域の行政と協働することが不可欠。

子どもアドボカシーセンター福岡は2019年から福岡市とアドボカシーシステムのあり方を探る研究会を発足、政策提言も行ってきました。

アドボケイトを地域に実装する

福岡市で2020年度から始まった「第5次子ども総合計画」には、「子どものアドボカシーの推進」が方針として位置付けられ、全ての子どもの権利を尊重することが基本的視点に書き込まれました。制度化に先駆けてアドボケイトの派遣も始まっています。